WebPlotDigitizer

WebPlotDigitizerは、グラフやプロットからデータを抽出するためのツールである。多くの研究者やプロフェッショナルが印刷された文献や報告書から数値データを取得する際の課題を解決するために開発された。このツールは、JPEG、PNGなどのさまざまなフォーマットの画像から、線グラフ、散布図、マップなどのデータを効率的にデジタル化することが可能である。自動および半自動のデータ抽出モードに加え、手動でのデータピックアップもサポートされている。ユーザーフレンドリーなインターフェースと多機能性により、WebPlotDigitizerは多くの分野でのデータ分析と再利用を容易にしている。

WebPlotDigitizerの使い方

MatDaCsツール試用レポート: WebPlotDigitizer

1. はじめに

今回は、MatDaCsに掲載されている「WebPlotDigitizer」を使ってみました。このツールは、画像からデータを抽出するもので、実験・計算データの図を数値化するうえで非常に便利なツールとなっています。

2. ツールの概要

提供元: Automeris.io

用途: 画像からデータを数値化

主な機能:

  • 自動、半自動、手動のデータ抽出モード
  • 使いやすいインターフェース
  • 多機能性

 

3. 使用方法

3.1 インストール

公式サイトからWebアプリケーションとして使用可能。

3.2 基本的な操作方法

  • 画像をアップロード
  • 軸の定義
  • データポイントの選択
  • データのエクスポート

 

4. 実際の使用感

4.1 操作のしやすさ

直感的なインターフェースで初心者でも簡単に使えました。公式ページの説明動画もわかりやすいです。

4.2 精度

自動抽出モードでも高い精度を発揮できます。

     

    5. 使用例

    5.1 画像の準備

    今回は一次元ハイゼンベルグ模型の比熱の計算データを読み取ることにしました。データはこの論文(K. Ido et al, Comp. Phys. Commun. 298, 109093 (2024))のFig.8(a)からとりました。実はこの計算データの生データも以下のリポジトリ(ISSP Data Repository)で公開されいますので、読み取り結果の精度を検証することができます。

    5.2WebPlotDigitizerにアクセス

    WebPlotDigitizerにアクセスし、「Launch App」をクリック。

    5.3 画像のアップロード

    論文の図のスクリーンショットをとって、その画像をアップロード。

    5.4 軸の定義

    「2D (X-Y) Plot」を選択し、軸を定義。

    5.5 データポイントの抽出

    「Add point」でデータポイントを選択。 下の図のような感じでポイント追加していきます。右上の拡大図がでるのでそれも参考にします。今回はL=24のデータ(三角のポイント)を手動で抽出しました。

    5.6 データのエクスポート

    データポイントを確認し、CSV形式でデータを保存。以下のような画面がでます。

    5.7 データの確認

    実際に、読み取ったデータと生データを比較してみました。下の図にありますように、精度良くデータが読み取れていることがわかります。

     

    6. まとめ

    「WebPlotDigitizer」は、グラフやプロットから迅速かつ高精度にデータを抽出できる優れたツールです。直感的な操作性と多機能性が特徴で、研究やデータ分析に非常に役立ちます。今後も積極的に利用したいと感じました。

    WebPlotDigitizer公式サイト